「麻酔をかける」ということ
私たちは仕事の中で、動物に麻酔をかけることに慣れていますが、
飼い主さん側から考えると、「自分ちのワンコ・ニャンコが麻酔をかけられる」、という状況は、そうそう何度も経験することではありません。
不安に思われて当然のことだと思います。
「麻酔」=「怖いこと」と、考えていらっしゃる方もおられるでしょう。
私たちは自信を持って麻酔をかけることができるように、より安全な薬剤を使用し、より確実な方法を選択しています。また、麻酔をかけた動物の状態を管理するためのモニター機器も充実してきました。
麻酔に関する環境は、この10年くらいで、かなり進歩してきたのではないでしょうか。
「麻酔をかけて、死んだりしませんか?」と聞かれることがときどきあります。麻酔の危険度はゼロではありませんから、「絶対、大丈夫です!!」とは言えません。
もし、「麻酔の危険率はどれくらいですか?」と聞かれたら、「宝くじを1枚買って、10万円当たるくらいの確率だと思ってください」と、お話しします(基礎疾患の無い場合)。宝くじを買わなければ当たりませんが、1枚でも買ったら当たるかもしれません。同じように、麻酔をかけなければ危険はありませんが、麻酔をかけたらトラブルに遭う確率はゼロではないということです。正確な数字とは言えませんが、おおまかなイメージをつかんでいただくために、そのように説明しています。
もちろん、当院のスタッフは、麻酔事故が起こらないように、毎回細心の注意を払って麻酔の管理を行っていますので、手術や歯科処置など、麻酔が必要な場合には、信頼してお任せいただきたいと思います。