トイプードルのルビーちゃんは、病院に入ってきたときから
普段と様子が違っていました。
「いつものように歩くことが出来ない」と連れて来られたのですが、
四つ足で突っ立ったままで、ブルブル震えています。
お顔の表情も、何だかボンヤリしています。
歩こうと思っても、うまく手足が動かないようです。
身体検査(神経学的検査)の結果、小脳の異常が強く疑われ、
急性の発症からは脳卒中(出血や梗塞)が考えられました。
いずれにしても、迅速に脳の腫れを引かせる処置が必要です。
即刻入院の上、点滴治療を始めました。
しかしながら、治療を始めて4時間ほどでけいれん発作が起こり、
残念ながらそのまま亡くなってしまいました。

ワンコやニャンコが脳卒中を起こすことは極めて稀なことです。
その診断はCTやMRIなどの検査が必要となりますが、
一般の動物病院には設備されていません。
ルビーちゃんも専門の施設で脳の検査を受けてもらう検討を
していましたが、来院されてから、たった4時間の経過で
亡くなってしまうような急性の症状でしたから、検査を受けて
いただいても、救命は難しかったと思われます。

今朝まで元気だったのに・・・
突然の容体の変化に、ご家族の皆さんも納得しねる心情は
私共もよく理解できます。
心の整理がつくまで、しばらく時間が必要かもしれません。

ここに謹んでルビーちゃんのご冥福をお祈りします。

西向日どうぶつ病院