行動診療科を開設し 問題行動のカウンセリングを完全予約制で行います。
これまでにも問題行動への相談は随時お受けしてきましたが、今月から行動診療科のカウンセリングとして完全予約制で行い、飼い主さんとじっくりお話しをすることで、より良い行動治療ができるようにしました。
動物の行動は身体と心の状態を映し出します。動物の困った行動を、ご家族がしつけの問題だと考えて悩んでおられても、実は健康上のトラブルが原因だったというケースもあります。動物病院での行動診療科は動物の健康状態を把握し、病気が存在すればこれを治療した上で、身体と心をトータルでとらえ問題行動の解決へと繋げていきます。
☆ 曜日と時間帯:月曜・水曜・金曜の午後12時30分~4時30分 (上記以外の時間帯を希望される場合は、ご相談下さい。)
☆ 料金:1時間 3000円 (60分を超える場合は、その後30分毎に1000円加算させていただきます)
☆ カウンセリングまでの流れ
まず、通常の診察時間内にご来院いただき、健康診断を受けてください(予約は不要)。
その際、健康相談も含め、困りごとを箇条書きにしたメモと便(できるだけ新しいもの)をお持ち下さい。診察と検便により健康状態を把握し、問題行動の原因として病気の可能性があると判断した場合は、各種検査(血液検査、尿検査、レントゲン検査など)を実施します。病気が潜んでいる場合は、身体の病気と行動学的異常の両方の治療を進めていくことになります。診察後にカウンセリングの予約をお取りください。その際、カウンセリングに必要な「問診票」をお渡しします。この問診票は、カウンセリング前日までに受付までご持参いただくか、郵送にてご提出下さい。
☆ カウンセリング(問題行動の相談)とは?
受診時の行動学的情報だけでなく、カウンセリングでは、飼い主さんとのお話の中から、飼育環境や家族の皆さんの動物への関わり方などを細かく分析し、動物の性格や行動の動機を把握していきます。根本にある動物が抱いている恐怖や不安、欲求不満なども和らげていかなければ、投薬や一般的なしつけ、トレーニングだけでは問題行動の改善には不十分です。その子と、そのご家庭に合わせた「オーダーメイドの対応」が必要なのです。
場合によっては、ご家族が悩んでおられても 動物の正常な行動であることもありますし、堅苦しく考えず何でもご相談ください。まずは問診票にご記入の上、お越しください。問診票をもとにこちらから質問をしていきますので、普段の様子をお話し下さい。
☆ お家に迎えて3か月以上経ってからの問題行動について
飼育期間が長くなってくると動物はいろいろな学習や経験を重ねています。生活環境の様子を詳しくお聞きすることによって、問題行動の原因とその行動を後押ししている要因を探って行きます。ワンちゃんの場合は獣医師とのカウンセリングとともに、看護士によるトレーニングを並行して行うこともあります。生活環境の改善やトレーニング方法を提案し、問題行動の程度によっては、一時的に不安を和らげるサプリメント(薬に近い食品)や精神安定剤のような薬を使いながら治療することもあります。すべて、飼い主さんと話し合いながら治療方針を決めていきますが、動物を取り巻く環境やご家族の動物への接し方などの改善をせずに薬を飲ませるだけで問題が解決することはありません。
☆ 実際のカウンセリングについて
初回は飼い主さんだけでお越し下さい。ワンちゃんの場合は行動療法(トレーニング)が必要となりますので、2回目以降のカウンセリング時には、ワンちゃんと一緒にお越しいただくことになります。状況により近隣のドッグトレーナー(訓練士)を紹介し、連携して問題行動の治療を行うこともあります。カウンセリングは、最初は1~2週に1回のペースで行います。症状が落ち着いてきたら3~4週に1回程度となるケースが一般的です。
☆ さいごに
お家に迎えられた動物とご家族が、ハッピーライフを送ることができるよう、獣医師と動物看護師が全力でサポートさせて頂きます。飼い方やしつけ方など、現在お悩みになっていることがあれば、問題が悪化する前にご相談ください。特に子犬のしつけについては、パピークラス開催歴10年以上の経験からきめ細かな対応法をお伝えすることができます(パピークラスの内容については、ブログに詳しく掲載していますので、ぜひご覧ください)。また、当院の看護士は全員、動物看護士認定資格を取得しており、知識と経験が豊富なスタッフが揃っていますので、様々な角度からアドバイスさせて頂きます。問題がさらに大きくなる前に、お気軽にご相談ください。